企業不祥事・国際訴訟における事前・事後対策セミナー

8月24日に大阪で「企業不祥事・国際訴訟における事前・事後対策」というタイトルでセミナーを開催しました。

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金融庁におけるインサイダー取引に対する罰則強化の動きや、米国連邦民事訴訟規則の改正の動きなど、企業を取り巻く法的リスクが高まっている中で、最近の事例を踏まえた具体的な事前・事後対策を各分野の専門家がご紹介するという内容で行いました。
山口利昭弁護士とAOSテクノロジーズの佐々木隆仁社長と上智大学特別研究員の北村浩先生が講師として、以下の内容で話をしていただきました。
・企業不祥事と社内調査の進め方~社内調査委員会外部支援の経験から~山口利昭先生(山口利昭法律事務所 弁護士)山口利昭先生には、社内調査委員会などで企業を外部から支援したご経験を元に企業不祥事と社内調査の進め方を具体的に話していただきました。

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不祥事に対して自浄能力が求められる企業が具体的に、リスク管理の視点から何をしていけばいいのか、役員の訴訟リスクにどう対処すればいいのか、社内調査をどうすすめていいのかなどのポイントを具体的にご説明されていました。
また、社内調査にフォレンジックを活用することでどういう成果が上がっているかなどを具体的な事例を交えて講演されていました。内部不正に対して効果のある対策として、経営者は、重要情報が特定の職員のみがアクセスできるように管理する仕組み作りが一番大事だと考えているが、従業員は、社内システムの操作の証拠が残ることが一番大事だと考えているなど、従業員と経営者で大きな意識ギャップがあり、不正対応で重要になるのは不正の痕跡を見つけるデジタルフォレンジック調査である。
しかし、実際にフォレジック調査では、証拠改竄、証拠削除などのも起こるため、専門業者と協業して調査をしていくことが必要となります。また、弁護士の観点から社内調査行う上で人権への配慮も大事であるというお話もいただきました。
・インサイダー取引などに対する、デジタルデータ証拠調査方法の具体的ノウハウ佐々木隆仁(AOSテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長)

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AOSテクノロジーズの佐々木隆仁社長からは、今年に入って、大手証券会社からの情報漏れにより発生したインサイダー取引が次々と摘発されており、このままでは投資家の日本市場離れを招きかねないということで金融庁は、インサイダー取引の罰則強化について議論を開始し、関連法案を来年の国会に提出しようと準備を進めているというお話や、現行の金融商品取引法では、インサイダー取引を行なった者に情報を伝達しただけでは罰則の対象にならなったものが、相次ぐ不祥事の再発防止のために、米国や欧州連合のように情報漏洩も罰則の対象に加えることを検討しているという動きがある。
このような動きを受けて、インサイダー関連の情報漏洩の予防対策はどのように実施すればいいのか、実際に問題が発生した場合の調査はどのように行えばいいのかを、デジタル証拠データ復元技術などをご紹介しながら、具体的にご説明いただきました。インサイダー取引に関連する情報漏洩対策としては3つの対策がある。

  1. 1) 不用意なデータは、抹消ソフトを使って、完全に抹消するデータは、削除されていても復元されることがあります。不要なデータは、専用の抹消ソフトを使って、定期的に抹消する。抹消ソフトの詳細はこちらです。
  2. 2) ログ管理ソフトを導入して、パソコン、スマホの利用状況を記録する操作ログの記録を取ることで、不正調査を迅速に行うことが可能となり、記録されていることを従業員に告知することで不正抑止効果も期待できる。ログ管理ソフトの詳細はこちら(http://logkanri.jp/)です。
  3. 3) 情報漏洩防止ソフトを社内のシステムに導入する機密ファイルのアクセス制限、コピー防止などの機能を備えた情報漏洩防止ソフトを導入することで、情報漏洩を防止する・知財・民事の海外訴訟対策(eDiscovery対策) ~ “Predictive Coding”によるコンプライアンス・ビッグデータ対応の視点~上智大学の北村先生からは、eディスカバリの最新手法となるPredictive Codingについてお話していただきました。

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日本企業は、米国・欧州での有事の際に生じる経営リスクを極力抑制するために、行政当局、裁判所や訴訟相手からのeDiscovery(電子情報開示)について効果的な対策を講じることで、コンプライアンス情報の管理力を発揮することが必須になっています。その中でも、これまで高コスト負担であった人間系主体の作業、特に、文書レビューについて、いかに可視的な効果を導くかが問われており、eDiscovery対策の変革を示すことが重要になっています。
有事の追跡対象となるコンプライアンス分野の膨大な社内文書について、eDiscoveryにおけるリーガルレビューの前処理として、”Predictive Coding”(予測符号化)を適用することで、有事に関係する文書を重み付け、種別ごとに分類し、レビューの工数減と品質確保を支援するリーガルテクノロジーを紹介します。
この手段によるeDiscoveryの推進が、レビューのコスト軽減と一定以上の均質化によって、経営リスクの評価をより容易にし、有事対策の有力な手段として活用を検討する企業がなぜ増加しているのかをご講演されました。当日は、非常に多数のお客様にご参加いただき、誠にありがとうございました。

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申し込み総数が定員をオーバーしたため、急遽、開場を大きなものに変更しましたが、それでもご参加できない人が多数おりましたので、急遽、追加でセミナーを開催することといたしました。

  1. 講演:【大阪開催無料セミナー】      企業不祥事・国際訴訟における事前・事後対策
  2. 日時:平成24年09月14日(金) 13:30~17:30 (受付開始13:00)
  3. 場所:[大阪]TKP大阪御堂筋カンファレンスセンター ホール3A大阪府大阪市中央区淡路町3-5-13創建御堂筋ビル3F・8F
    【地図】https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-osaka-midosuji/access/
    【アクセス】地下鉄 御堂筋線「淀屋橋駅」より徒歩3分  地下鉄 御堂筋線、中央線、四つ橋線「本町駅」より徒歩4分
  4. 講演スケジュール:プログラム1企業不祥事と社内調査の進め方~社内調査委員会外部支援の経験から~
    【講師】山口利昭 氏(山口利昭法律事務所 弁護士)プログラム2インサイダー取引などに対する、デジタルデータ証拠調査方法の具体的ノウハウ
    【講師】佐々木隆仁(AOSテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長)プログラム3知財・民事の海外訴訟対策(eDiscovery対策) ~ “Predictive Coding”によるコンプライアンス・ビッグデータ対応の視点~
    【講師】北村浩 氏(上智大学特別研究員(Ph.D.))
  5. 参加費:無料(事前にお申込ください)
  6. 定員:50名※定員制のため、満席でお受けできない場合もございます。予めご了承下さい。※お申込み者が定員を超えた場合は、抽選とさせて頂きます。予めご了承下さい。
  7. 主催:レクシスネクシス・ジャパン株式会社 ビジネスロー・ジャーナル
  8. 後援:AOSテクノロジーズ株式会社

▼お申込み・詳細はこちら▼
多数のお客様にお申込みいただき、誠にありがとうございました。本セミナーのお申込みは締め切らせていただきました。

同様の内容で10月5日に東京でもセミナーを開催する予定です。