マイナンバー制度の基礎知識と個人情報のセキュリティ対策

先日、赤坂と虎ノ門で「マイナンバー制度の基礎知識と個人情報のセキュリティ対策」と題するセミナーを開催しました。

赤坂会場の様子

赤坂会場の様子

 

虎ノ門会場の様子

虎ノ門会場の様子

講師は、社会保険労務士 松本力事務所代表 松本 祐徳氏です。

松本氏

マイナンバーというのは、税と社会保障対策、災害対策のために国民一人一人に番号を割り振り、納税実績や年金など社会保障の情報を一元的に管理する制度です。

マイナンバーについては、国民一人、一人が知っておかなければならないことがたくさんあります。マイナンバーは個人情報保護法の対象となりますが、法改正に伴い、取り扱いについても注意しないといけない内容があります。

マイナンバーの基礎知識

マインバーについての話を企業の方にお聞きすると、対応するのに負担ばかりがかかって、何のメリットもないという話を一番多く聞きます。お金がかかる、責任が重い、俺になんのメッリトがあるんだという声が上がっています。

マインバー制度も目的は以下のようなものです。

マイナンバー制度の目的

この中で一番言われているのが税と社会保障の公平性という点です。

今、世の中で何が起こっているかというと、少子高齢化の問題があります。2020年には、75歳以上の人口が65〜74歳の人口を上回るという統計も出ており、人口全体に占める65歳以上の比率も29.1%まで高まると予想されています。この少子高齢化の問題と、就職した人が3年以内に辞める確率も3分の1という話があります。リクルートの予測ですと、正社員になる人の割合が50%を切るような統計も出ています。社会保障のお金が全く入ってこない。枯渇していく。そんな中で、例えば、66万社の企業が社会保障の適応逃れをしている。そういう問題も全て、引っ括めて入っています。一番大事なことは、公平な社会を作る。その中でマイナンバーをやっていこうと。あとは、行政運営におけるIT化ですね。安倍政権は、2020年までに週に1日以上、終日在宅で勤務する「在宅型のテレワーカー」の比率を1割以上にするという目標を掲げています。このテレワーカとマイナンバーにも密接な関係があります。それと地方創生の声がかなり、聞こえてきていますが、地方創生にマイナンバーを活用しようという話もあります。地域の中でお金を使ってもらおう。そこでマイナンバーを活用しようと。そういう流れが出ています。

国民と公的機関の間だけではなく、マイナンバーを使えば、いちいち住所を書かなくても、番号だけをかければいいとか、色々なケースで利便性が高まります。一方で、何に使われている良くわからない、国民監視システムとか、これも良く言われていますが、国民一人ひとりがアクセスログを確認できます。自分が国からマイナンバーを使って見られているのかをマイポータルが実施されると分かるようになります。開示請求に対して、迅速に報告、そういう積極的な姿勢を国の方も取っていくということです。

社会保障・税・災害対策限定

マイナンバー制度は、社会保障・税・災害対策といった限られた分野だけに使われる制度であって、使いたくないじゃなくて、使わなければならない制度です。逆に言うと、使ってはならないところでは、使うということがあってはならない制度です。ですからマイナンバーを教えてくださいと言われた時に教えられる場面というのは19条に全て定められています。それ以外のところで人のマイナンバーを提供するというのはあってはならないということになります。この部分に関しては、マイナンバーの取り扱い従事者だけではなくて、一般の国民であったり、会社の従業員や経営者の方もチェックしておかなければならないということです。知らない間に番号法違反に当たるような行為をしてしまったとか、トラブルに巻き込まれるとか、そういうことが気を付けなければならない点です。これがマイナンバーの厄介な点です。もちろん、重複して、特定個人情報のマイナンバーの入ったファイルを手当たり次第、作っていくということに関しては、制限がかかります。利用目的がはっきりしない目的ではリストを作ってはならないとあります。たまに、個人情報を気にしない人からは、いいよ、記録してもと言われることもありますが、提供行為そのものが番号法違反に当たりますので、注意が必要です。

罰則

 

今回のマイナンバー制度では、安全管理施策の部分がかなり騒がれているようですが、漠然としていて、何をどうすればいいのか分からないという話をよく聞きます。お金がかかるばかりじゃないか、負担ばかりじゃないか。これは、私たち、社会労務士も同じような感覚で、どうしたらいいかやっぱり掴めないよという話がやっぱり出てきます。今回大事なことは、現在、国会の中で、個人情報保護法、番号利用法、どちらとも、改正法案が出ています。交付から2年後、個人情報保護法は、大幅に変わります。

コンピュターの情報システムを通じて連携、扱いの簡素化、書類の省略化などだが一番大きいのは、給付の不公平をなくしていくこと。国としては、一番問題を感じているのは、社会保険の適応逃れが66万社もある。国としては、これが一番問題だと感じている。マイナンバーの適応が始まるが、提供を拒否された場合に書けない理由を書けと言われた場合は、本人確認を厳格にすることになる。給付の不正受給もあるので、これも防止しておかなければならない。

地域の活性化というテーマもある。将来的には、民間のデータと行政データを集まると、ビジネス的な効果が7兆円にもなるという試算もある。経済的な発展性にも重きを置きましょう。一方では事業者に対する監督責任も果たしていきましょう。強制的にマイナンバーを利用しないといけない。住基ネットと同じでマイナンバーなんか誰も使わないよという人もいますが、今回のマイナンバーは、利用しなければならない。それを使う場面も限定的に明記されている。使ってはならない場面で使うことも違反になる。数多くのマイナンバーを管理する団体。大抵の企業は、自分たちの従業員分のマイナンバーを扱うだけですが、数多く扱う団体もあります

マイナンバーを数多く管理する団体

保険会社は、代理店を経由して営業しているので、マイナンバーを代理店からもらおうとする場合は、注意が必要です。プロスポーツなどは、申告書の7年間の保管義務が出てきました。

マイナンバーの保管をうまく考えながら、なるべく保管しない方法を考える方がいいでしょう。

本当にマイナンバーの利用頻度は低い。よく分からなくて困っている人に不安を煽ってやるのは良くない。媒体をなるべく分散させて保存しない方がいい。情報漏洩リスクとしては、瞬時に漏れる

ガイドラインでは、利用目的がなくなった個人情報は、極力消去してくださいと言っています。

個人番号カードの様式は、こんな感じになります。

個人番号カードの様式個人番号カード記載事項

個人番号カードへの記載事項はこちらになります。

 

番号変更について

 

番号の変更については、不正に用いられる恐れがあると認められるとき以外は、変更ができません。具体的には、詐欺や暴力など不正な目的で使用される場合に限定されます。

 

マイナンバーは、特定個人情報なので特別な扱いをするように細かく定められています。

特定個人情報とは、個人番号と、当該個人番号に対応する符号をその内容に含む個人情報のことです。

個人番号に対応する符号とは、個人番号に代わって用いられる番号や記号などで、住民票コード以外のものをいいます。ですから、事業者が守らなければならない番号法の保護措置は、個人番号に対応して、当該個人番号を一定の法則で変換した番号等を含めて適用の対象としています。

生存する個人の個人番号については、個人番号自体が基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)と紐付けられた住民票コードを変換して得られるものであり、個人番号は住民票コードを復元することのできる規則性を備えるものでないことが生成する際の条件の1

つとされていますが、特定の個人を識別することができるものであることと解されていることから、個人情報に当たり、特定個人情報に該当します。

特定個人情報ファイルとは、個人番号と、個人番号に対応する符号をその内容に含む個人情報データベース等のことです。ちなみに、個人情報データベース等とは、個人情報を含む情報の集合物であって

① 特定の個人情報について電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの(システム用ファイル、その他電子ファイル)

② 集合物を一定の規則に従って整理することにより特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した情報の集合物であって、目次、索引その他検索を容易にするためのものを有するもの(手作業処理用ファイル)となります。