企業による不正会計とAOS Forensics ルーム
企業による不正会計が年々増加しています。東京商工リサーチの発表によると、2018年に不適切な会計・経理を開示した上場企業は54社で、過去2番目の件数とのことです。不適切な会計の開示企業は、2008年の25社から9年間で2.2倍に増えているとのことです。
その中で粉飾が全体の38.9%、着服・横領が20.4%、産業別の最多は製造業で全体の31.4%、次いで運輸・情報通信産業が18.5%とのことです。適正会計に対するコンプライアンス意識が求められる中で、不適切な会計は高止まりが続いています。
更に、帝国データバンクによると、2018年に粉飾が原因で倒産した企業は、73件、資金使徒不正が原因で倒産した企業は、59件に上るとのことです。
大きな話題になった事件としては、2019年は、サムスングループの粉飾会計事件でサムスン電子の副社長2人が証拠隠滅などの容疑で逮捕されるという事件が起こりました。2015年には東芝の不正会計事件、2011年には、オリンパスで粉飾決算がありました。2006年にはライブドア事件で有価証券報告書の虚偽記載事件が起こっています。
ライブドア事件の経緯
2006年1月16日に証券取引法違反の容疑による、事務所と社長の自宅が東京地検による家宅捜査を受けました。この不正取引の実態をつかむために特捜部が注目したのは、経営陣がやり取りした数々のメールでした。ライブドア社では、紙はほとんど使わず、重要な意思決定は、メールで行われていたとのことです。パソコンやサーバーなどに残されたデータを抽出し、証拠として活用する手法は、デジタルフォレンジックと呼ばれていますが、パソコンやサーバーのハードディスクを証拠性が損なわれない特殊な方法でコピーし、フォレンジックソフトを使って解析を行い、不正の証拠となるメールやファイルなどを探し出します。都合の悪いデータは、消されてしまっていることも多いので、データ復元ツールを使って復元を行うということも、不正調査を行う上では重要な作業となります。この事件では、捜査対象がIT企業だったこともあり、一部のデータは、消去ソフトを使って消去されたいたということも報道されています。しかし、このような行為は、裁判では、意図的に証拠を隠滅したということで、裁判官の心証に悪影響を及ぼします。米国の民事裁判では、提出を求められたデータを消去したということで、多額の賠償金の支払いを命じられたケースもあります。
リーガルテック社は、20年に渡り、数多くの捜査機関の依頼でデジタルデータの証拠調査を行ってきた実績があり、捜査機関へのフォレンジックツールの提供やフォレンジック捜査のためのトレーニングを行ってきました。
最初は、捜査機関の依頼でこのようなデジタルフォレンジックの不正調査を行ってきましたが、徐々に企業の依頼での調査も増えていきました。最近では、外部に調査を依頼するまえに、企業が自分たちでフォレンジック調査ができるようにして欲しいとの依頼も増えてきており、そのニーズに応えるために、企業が自力で不正調査を行うためのソリューションとして開発したのが、「AOS Forensics ルーム」です。
「AOS Forensics ルーム」の開発背景を説明した動画はこちらです。
実際のフォレンジック調査は、初期調査、データ収集(保全)、データ処理・解析、レビュー、報告という5つのプロセスで進行します。
フォレンジック調査の流れを説明した動画はこちらです。
初期調査を説明した動画はこちらです。