HTCIA 2008 カンファレンス

2008年10月20日~22日に米国ニュージャージー州アトランティックシティで開催されたHTCIA(High Technology Crime Investigation Association)主催のカンファレンスの模様をリポートしたい。

ハイテク犯罪に関する捜査機関向けツールの展示会と講演会から構成されたHTCIA2008であるが、展示会はデジタル・フォレンジックに関するハードウェア・ソフトウェアが数多く展示されていた。

特に携帯電話向けのツールは、携帯電話の進歩の速さと相まって、目立つようになってきた。

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中国からの危険な再生チップによる米軍兵器の危機

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米国BusinessWeek誌にスクープされた中国産チップの問題で、米軍は非常に危険なリスクにさらされていることが判明した。

中国には中古PCや携帯電話から抜き取ったチップを新品のチップとして、ときには偽のスタンプを刻印して販売するチップ再生業者が存在するという。

その模様がBusinessWeek誌に取り上げられた。掲載された写真にはその現場の模様が生々しく映し出されている。その様子は昔の鋳鉄工場の様な怪しげな雰囲気であった。

しかもそのチップが軍用グレードとして、オンラインで販売されているという。米軍の発注したオーダーがライセンスを受けたIT業者に流れると、オーダーの型番からそのIT業者がネットでチップを調達する。その際に、再生された中国産チップが発注され、堂々と米軍兵器工場に納品されたらしい。

このチップが組み込まれたF15戦闘機が事故を起こしたことから、この問題が発覚した。同様の事故は、米軍偵察機、哨戒機、空母キャリアに至るまで様々な軍用機でみつかっている。イギリスのBAEでも問題が発生している。

FBIは類似ケースについて、すでに調査を行っているが、進行状況について詳細は不明である。

米軍の戦闘機、誘導ミサイル、核ミサイルに誤作動を引き起こすチップが組み込まれているとしたら非常に恐ろしい世の中になる。

情報ソース:
http://feedroom.businessweek.com/?fr_story=926e1836e83d0d2b9f5daf99e158dd90f79faea9