Eディスカバリー調査「The Socha-Gelbmann Electronic Discovery Survey」

George Socha and Tom Gelbmannによる電子情報開示(EDDElectoric Data Discovery)に関する調査。

2003年から連続して実施されているもので、2009年の調査は、主に市場規模、トレンドなどにフォーカスした調査だった。

以下、特に注目すべきポイントをご紹介する。

  1. 09年のEDD市場バリューは、前年比約10%増しの約28億ドルになると予測、さらに2010年、11年には、10%から15%の成長が予想されている。ちなみに09年の金融崩壊の津波が来る以前は、09年には30%、10年には25%の成長が見込まれていた。
  2. EDDマーケットは成熟しながら成長を続けるが、近年の経済危機を踏まえて、eDiscovery関連コストを抑制する努力に一層拍車がかかっている。08-09年に特徴的だった動きは、”より左側へ” というもので、EDRMモデルの図 の “左側へ” 注力しようという流れだ。つまり、最もコストと時間が掛かるレビュー部分よりも手前にある「情報管理」「情報識別」「情報・データの保全」などの段階に注力して、EDDを効率よく実施しようという傾向である。
  3. EDD(電子情報開示)は、弁護士にも顧客(企業)にもより一般的なプロセスとなるため、情報管理の重要性がさらに一層高まる。

ちなみに2010年の調査は、Eディスカバリーの商業サービスとソフトウェアについてフォーカスされている。例年、年末前には結果が公開されているので、10年版もそろそろ発表されるだろう。

E-Discovery スペシャリスト認定試験(米国)

ACEDS(Association of Certified E-Discovery Specialists)が、eディスカバリー分野では初の、認定資格試験を実施すると発表した。
これは計量心理学に則った試験であり、50以上のeDiscovery、計量心理学、検定分野の専門家の参画によって実現に至った。
CEDS試験では、コストコントロール、予算管理、倫理観などから、訴訟ホールド、保全、データカリング、情報審査(レビュー)などについての知識を測る。特定のソフトや製品の知識を問うことはしないし、製品トレーニングも行われない。
試験はUS314箇所、カナダ28箇所などの519箇所で実施される予定。
受験者は、CEDS Examination Candidate Handbook(PDF)の他、受験資格や応募方法などの情報をACEDSのウェブサイト(ACEDS.org/certification)から取得することができる。