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訴訟ホールド(Litigation Hold/Legal Hold)に関して

2011-05-20/カテゴリ: eディスカバリー, 最新米国情報
訴訟ホールドとは訴訟、監査、司法調査の可能性があると判断された段階で「関連した全ての資料・情報をそのままの状態で安全に保存する」というプロセスです。2006年には米国Federal Rules of Civil Procedure (FRCP)に「電子保存情報」の電子ディスカバリーの必要性が追記されており、電子保存情報に対してのポリシーが規定されるようになりました。
訴訟ホールドは法務部もしくは弁護士がイニシアチブを取って行われますが、電子的に保存されたファイルやメールという証拠に改ざんや消去がされないようにしなければなりません。
これを怠ると裁判所からペナルティの制裁金が課せられたり、証拠を改ざんしたと見なされて裁判で不利になるばかりでなくこの事が理由で敗訴さえしてしまう可能性があります。
訴訟ホールドは基本的に3つのプロセスから構成されています。
① 保存通達
訴訟、監査、司法調査の可能性があると判断された段階で、関連する電子情報の保存義務が生じます。その際にはカストディアンに対して関連電子情報を保存する義務があるとの通達をしなければなりません。
② 電子情報の分別保管
保存が通達された後に関連する電子情報を収集し、関係の無い情報を除外するカリングを行い、外部からアクセスが出来ない分別された安全なストレージに保管しておく必要があります。これは保存された情報が消去されたり改ざんされたりするリスクを無くすためです。
③ 継続的な保存義務
訴訟ホールドが執行された以降は、新たに発生した電子メールやファイルも関連するものであれば保存対象となりますので、これらの徹底した管理が必要です。
訴訟ホールドを怠った為にペナルティが課せられてしまったケース例:
* Coleman Holdings v. Morgan Stanley (Florida Cir. Ct. 2005)
Coleman社がSunbeam社を買収する際、仲介したMorgan Stanley社がSunbeam社の財務状況を不正に修正したとされる裁判。訴訟ホールドを故意にしなかったとして1,500万ドルの制裁金がMorgan Stanley社に課せられた。本裁判にも敗訴し15億ドルの賠償金命令。 
* Zubulake v. USB Warburg(SDNY 2004)
妊娠した従業員の不当解雇の裁判でUSB Warburg社が証拠となる電子メールを意図的に削除したとされ、2,900万ドルの制裁金が課せられた。
* U.S. v. Philip Morris USA, Inc.(D.D.C. 2004)
タバコの健康被害に関する米国政府とPhilip Morris社との訴訟で、関連する電子メールを保全する義務を怠ったとして275万ドルの制裁金が課せられた。
* TR Investors v. Genger(Del. Ch. Dec. 2009)
投資家によるCEOの解任訴訟で、CEOであるGenger氏が関連メールを意図的に破棄したとして75万ドルの制裁金が課せられたもの。 
訴訟ホールドはe法務ディスカバリの重要なプロセスであり、担当弁護士と社内IT部門の密なコミュニケーションをしておく必要があります。弁護士は関連する電子保存情報を所有しているカストディアンを認定して訴訟ホールドをかけます。IT部門は訴訟ホールドを具体的に行う技術的な方法や手続きを行い、社内の訴訟ホールドポリシーに従い情報を集約し保全しておく必要があります。
電子保存情報には、電子メール、データベース、ワードやエクセルなどのドキュメント類、ボイスメール、テキストメッセージやカレンダーなども含まれます。訴訟ホールドは証拠が改ざんされないようにする極めて重要なプロセスですので、エクセルシートでマニュアル的に管理するようなやり方は非常にリスクが高い方法になってしまいます。
その為に現在米国では電子ディスカバリーの一環として訴訟ホールドをソフトウェアで管理するのが主流となっています。
SaaSベースの単独訴訟ホールドサービスからEDRMのトータルソルーションの一部としての訴訟ホールド機能と様々なソフトウェアツールが提供されています。こういったソフトツールを使うことはリスク低減という観点からも避けられない状況になっているようです。
訴訟ホールドを提供している代表的なベンダーを参考までに記しておきます。
1. ATLAS     (http://www.pss-systems.com)
2. Autonomy  (http://www.autonomy.com)
3. Bridgeway  (http://www.bridge-way.com)
4. CASEGUARD (http://www.caseguardtech.com)
5. Clearwell (http://www.clearwellsystems.com)
6. Exterro    (http://www.exterro.com)
7. Method     (http://methodlegalhold.com)
8. MITRATECH (http://www.mitratech.com)
9. ZAPPROVED (http://www.zapproved.com)
/wp-content/uploads/2020/06/data_logo-1-300x56.png 0 0 admin /wp-content/uploads/2020/06/data_logo-1-300x56.png admin2011-05-20 11:09:002011-05-20 11:09:00訴訟ホールド(Litigation Hold/Legal Hold)に関して

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