e法務ディスカバリーのコスト
9月13日のForbes誌にe法務ディスカバリーのコストに関しての記事がありました。
e法務ディスカバリーベンダーによる「ギガバイト当たりの価格」設定は見直しを迫られているようです。
e法務ディスカバリーを社内インハウスのソリューションとして導入する際には「ギガバイト当たりの価格」で見積もり提示がされる事があります。通常ここで言われる「ギガバイト当たりの価格」はコレクションすべきデータからプログラムファイルなどを除いたデータに対して適応されます。ただしこの場合コレクションされたデータの中にはまだ除外すべきデータも多く含まれている可能性があり「ギガバイト当たりの価格」が適応される事に疑問を投げかけるケースが多くあるようです。
「ギガバイト当たりの価格」は、ハードディスクが容量で価格が異なるのと同じです。しかしハードディスクは容量分だけデータを保存する目的があるのでこの価格モデルは問題ありませんが、これをe法務ディスカバリーに適用しようとすると「不必要なデータの分まで支払う」という概念を拭い去れません。
その為に年間基本ライセンス料金だけの「All You Can Eat(食べ放題)」モデルを導入しているe法務ディスカバリーツールベンダーもあります。このモデルは年間ライセンス料さえ支払えばそのケースが10GBであっても1TBであっても同じ料金となります。
例えばA社のGB当たりの価格設定がされたツールの場合ですが、ケースは30GB以下と想定した場合、システム導入価格と30GBまでのライセンス費用はトータルで10万ドルのコストがかかります。ただこの場合でもケースが終了してデータを消去すれば再度10GBまでのケースデータであれば何回でも流す事が出来ます。でも次の案件が1TBだった場合は…追加ライセンスの購入が必要でこれには85万ドルの費用がかかります。
B社の場合は年間ライセンスは25万ドル。GB当たりの価格は設定されていないので、30GBのデータが流れるときはA社よりコスト高になりますが、もし1TBのデータセットがを処理する場合はA社よりもはるかに低価格となります。
e法務ディスカバリーを日常的にビジネスプロセスとして使う場合を考えてみましょう。
大企業のデータセットは莫大なものとなると推定され、顧客の立場からすると、e法務ディスカバリーツールの価値は「GB当たりのデータ」ではなく「ツールそのものを使うこと」になります。
そうなると、ケースの大小に関わらずフレキシブルにサービスを使えるAll You Can Eatの方が、インハウス向けのe法務ディスカバリーツールのプライスモデルとしては合理的であるとの方向が強まってきているようです。