2019年 リーガルテックワイン会~第1回 メソポタミアからローマ~
ワインdeめぐる世界の旅
2019年より継続的なテーマでワイン会を進めていく運びとなりました。1年をかけて皆様をワインをめぐる世界の旅にお連れしたいと思います。2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第1回 〜 Step1 メソポタミア〜ローマ 第1回目は、ワイン発祥の地と呼ばれる国々イスラエル、ギリシャ、ジョージア(グルジア)から高い評価を受けている銘酒をお楽しみいただきました。
1、ワイン発祥の歴史
6000年以上も前から存在していたと言われるワイン。その発祥の地は今もなお定かではありませんがシュメール人が書き綴ったメソポタミア文明最古の文学作品「ギルガメッシュ叙事詩」にはワインが記されています。また今のグルジアあたりで最古のワインの壺が発見されました。
ワインを飲みながら人が集まっていた跡も発見され、紀元前4000年頃からワインを通じで人とのコミュニテーが確立されていたのです。
また地中海から生まれたワインはギリシャで大量生産が可能となりエジプトに渡たりました。エジプトでは人々は水代わりクレオパトラは美容のためにワインが浸透しました。ワインをめぐる壮大な歴史的ロマンが広がります。
2、イスラエル、ギリシャ、地中海の島々
「ワインdeめぐる世界の旅」がスタートしました。皆様をワインと共に世界の旅におつれする第一回目はワイン発祥の地と言われる地中海、ジョージア、イスラエルから出発しました。
とても珍しいサントリーニ島の白ワイン、世界遺産の醸造で作るジョージアのオレンジワイン、そして最後はボルドーの高級ワインを彷彿するイスラエルの赤ワインを味わいました。
ワインが作られた時代に遡り古代の人々への思いを寄せながら歴史を交えそれぞれのワインを堪能しました。ワイン発祥の地と言われる今回の3つの産地のワインはどれも個性がありテロワールを表現した味わいです。ワインが作られるべく神に選ばれた土地だったのだと実感しました。
「ガバラス・サントリーニ」(白ワイン)
紀元前2000年にまで遡るエーゲ海に浮かぶサントリーニ島のワイン
サントリーニ島最古のワイナリーと言われる「ガバラス・サントリーニ」
サントリーニ島の高貴な固有品種、アシリティコ種100%で作られるミネラルたっぷりの白ワインは数々の賞を受賞しました。控えめで淡い味わいですが、しっかりした個性を持ち、バランスの良い味わいです。
太陽の恵みをたっぷり浴びジューシーでストレスなく育ったぶどうの味わいを感じます。ギリシャで醸造法が確立されその後エジプト、ローマ、フランスへ広がったと言われています。
3、グルジアワイン、イスラエルワイン
2013年ジョージア(グルジア)で古代から伝わる土壺での醸造「クヴェヴリ製法」がユネスコの無形文化財に登録されました。地中に埋めたクヴェヴリという特殊な卵型の土器の甕(かめ)で発酵から貯蔵までを行う伝統的なワイン製法は、白ワインでありながら、ブドウの果皮や果梗(実を支える柄)、種も一緒に甕に入れて醸造する赤ワインの製法で作られることによりポリフェノールの一種であるタンニン成分が多いことが特徴です。
「シュラウリ ヒフヴィ」(オレンジワイン)
ジョージアの「オレンジワイン」は昔ながらの醸造法を今も守り土に埋めた土壺に白ぶどうの皮も種も一緒に入れ発酵させます。皮と種から抽出されるエキスとぶどうの果実味が織りなすハーモニーは個性豊かなウィスキーのような発酵香とこくのある味わいです。香りはしっかりしていますが、後味はスッキリしています。楊貴妃やクレオパトラも愛飲したと言われる伝統的な味わいです。
※ オレンジワインとは白ぶどうを赤ワインの醸造法(果皮や種を一緒に漬け込んで醸造し醸す方法)を用いて醸造することで、白ワインでもロゼワインでもない、濃い色調やタンニン成分(渋みや強い口当たり)、独自の風味を持つワインのスタイルです。
「ヤルデン、カベルネ・ソーヴィニオン」(赤ワイン)
イスラエルを代表するハイクラスのワイナリーです。
最先端の科学技術と伝統的な醸造法を組み合わせ高品質でエレガントなワイン生み出しました。
年間を通じてぶどう畑は畑内に張り巡らされたデータを集め徹底した管理システムの元ワインが作られています。発酵も全てコンピューター制御で温度管理されており最高級ワインの醸造を可能にしました。イスラエル航空のファースト&ビジネスクラスで長年採用されており世界的に大人気のワインです。
2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第1回 〜 Step1 メソポタミア〜ローマ いかがでしたでしょうか?
まだ文明が確立されていない何千年も昔から古代の人々はワインを囲み、語り、ともに喜びの時間を過ごしていました。人類の文明の発達に少なからずワインが貢献したのは確かであり誇らしくも感じます。
当時と同じ醸造法で作られるワインを囲み、未来のテクノロジーや技術の進歩がもたらす人間の幸福について語る素晴らしいひとときとなりました。今後の我々の生活がより快適になるビジネスヒントも生まれ有意義な時間を過ごしました。
普段あまり口にすることがないギリシャ、イスラエル、ジョージアのワインですが、みなさま大変ご満足いただきました。
「オレンジワインはまるでウィスキーのような芳醇な香りがする」
「ボルドーより美味しいイスラエルのカベルネ・ソービニオンだ」
「サントリーニ島のワインを飲むと新鮮が魚介類が食べたくなりますね」
などなど嬉しいご感想もいただきました。
次回のテーマは
紀元前、ローマ帝国にもたらされたワインはローマ軍の遠征によりフランスへと広げられました。兵士の水代わり栄養補給のためシーザーは遠征先の人々にワイン造りを教えて行ったたと言われています。ローマ軍が最初に足を踏み入れたフランスのローヌ地方、南仏地方を訪れます。
ローマの代表的ワインの産地となった
「シャトーヌフ・ドュ・パプ」(法皇の新しい城)という意味のこの産地は後にローマ法皇の住居となりワイン作りが発達しました。パワフルな味わいが特徴のシャトーヌフ・ドュ・パプの赤ワインをお楽しみください。
プロバンス地方へ遠征した兵士たちは南仏で飲むワインをとても喜んだと記録に残っています。
太陽の恵みを燦々と浴びたジューシーなロゼワインとロゼスパークリングワインをお楽しみください。
渡辺 順子
世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」でアジア人初のワインスペシャリストとして活躍、プレミアムワイン株式会社CEOザッキーズ日本代表。
著書:
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』(ダイヤモンド社)
『日本のロマネ・コンティはなぜまずいのか』 (幻冬舎ルネッサンス新書)