2019年リーガルテックワイン会 〜 第3回 ローヌ地方〜

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ローマ法王によって広まったワイン

ワインdeめぐる世界の旅 第3回

ローヌ地方は南北200キロ、東西100キロに及ぶ広大なワイン産地でボルドーに次ぐ生産量を誇ります。ローヌは大きく南と北に分けられ、北部はシラー種を使った力強い濃厚な赤を中心に希少価値の高い白を、南部はグルナッシュ種を中心に複数の品種をブレンドしたバランスの良いワインが作られています。
今回は歴史あるドメーヌ「ギガル」がローヌの北部と南部で作る代表的なワインをテイスティングしていただきます。ギガルはパーカーポイント100点を最も獲得したドメーヌとしても有名で、その数は35銘柄にも及びます。

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1、ローヌワインの歴史と特徴

ローヌワインは、フランス南部のローヌ川流域で生産されるワインで、広域AOCのコート・デュ・ローヌ
(Cotes du Rhone)地域に相当します。
フランスで最も古く、紀元前600年頃にはぶどうの栽培が始められていたとされています。
気候的にも土壌の面でも、北部と南部では違っていて、
北部は、大陸性気候で、土壌も花崗岩質の斜面が多く、
南部は、やや海洋性気候に近くなり、土壌は水はけのよい砂利の混じった土壌で、
地区によってかなりの違いがあります。

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2、歴史ある作り手「ギガル」について

ギガル社は創業1946年。それからわずか60年で「ローヌといえばギガル」と言われるまでになったのが、
ローヌの帝王、ギガルです。ローヌ北部に位置するコート・ロティ、コンドリュー、エルミタージュ、サン・ジョセフ、そしてクローズ・
エルミタージュといったアペラシオンから生産するワインを、アンピュイにある地下室で醸造・熟成させます。
また、南部の名門ワインであるシャトーヌフ・デュ・パプ、ジゴンダス、タヴェル、そしてコート・デュ・
ローヌも、この地下室にて熟成されます。

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3、「ギガル」の作る赤・白・ロゼ・をテイスティング

ギガル社の醸造方法は、ワインの世界では特異なもので、農薬、除草剤、化学物質などは、
一切使用せず、優れたブドウを収穫することで可能となります。
彼らの方法は、ローヌ渓谷の長い歴史に伴った伝統に耳を傾けるものであり、ギガルでは
“シンプル” なワインは作っていません。そんなギガル社のワインをおいしい食事と共にそれぞれテイスティングしました。

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コート・デュ・ローヌ ブラン [2015] ギガル

ヴィオニエ・ルーサンヌ・マルサンヌなどローヌの土着品種を使用した華やかな味わいです。ローヌ地方の北と南からそれぞれぶどうを収穫しブレンドし深みのある白ワインに仕上げました。

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タヴェル ロゼ [2015] ギガル

ロゼワインで有名な産地「タヴァル」で作られるロゼワインの中では間違いなくトップの味わいだと評論家が大絶賛する味わいです。

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クローズ・エルミタージュ [2015] ギガル

ローヌ・北部に広がる代表的な産地、クローズ・エルミタージュの赤ワインです。シラー種100%で作る味わいは男性的な力強さと女性的なエレガントさを兼ね備える味わいです。

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2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第 3 回 〜 「ローヌ地方」 いかがでしたでしょうか?

ワインde世界を巡る旅、今日は皆様をローヌへお連れしました。

ローヌは14世紀にキリスト教の法王庁がアヴィニョンに移転されたことでワイン産業が飛躍的に発展した産地です。

寒暖差が激しくぶどうにとって過酷な環境で、朝晩の気温はマイナスに、日中は30度を超える日もありますが、その環境が美味しいぶどうを育てます。

赤も白も果実味豊かでアロマたっぷりの味わいがローヌの特徴です。

今回はローヌで1、2を競う大手醸造ワイナリー「ギガル社」が造る赤、白、ロゼをいただきました。

次回のテーマは

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~ ワイン de めぐる世界の旅 第 4 回 ~

次回はフランスの隠れた名産地 ジュラ・サヴォア地方を巡ります。

日本では入手困難なジュラ・サヴォアワインを飲みながら知られざるワインの歴史を振り返りましょう。

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渡辺 順子

世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」でアジア人初のワインスペシャリストとして活躍、プレミアムワイン株式会社CEOザッキーズ日本代表。
著書:
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』(ダイヤモンド社)
『日本のロマネ・コンティはなぜまずいのか』 (幻冬舎ルネッサンス新書)