ECA(Early Case Assessment)とは?

一度、訴訟としてファイリングされた企業は、その内容を吟味して、裁判に持ち込むか、和解するかについての判断を迫られることになります。
訴訟の工程全体にかかる時間とコストは莫大なため、なるべくその工程の規模を小さく保つことが重要です。
そのためには、訴訟の早期段階において、訴訟事実を評価して、収集すべき情報の対象を絞り込み、訴訟全体のリスクを計算して、戦略的に判断することが重要です。
このように、訴訟の早期段階において、訴訟に関わるリスク・バリューを評価することを ECA(Early Case Assessment)「訴訟案件の早期評価査定」と呼びます。
一般的に、訴訟の起点から 60~90日以内で、訴訟対応計画を立てることを言います。
ECA(Early Case Assessment)は以下の3項目を解決するのに重要です。
・eディスカバリーに費やされる時間とコストの見積もり
・リスクと和解金を決定する訴訟事実の評価
・面会協議の準備

eディスカバリー動向

米国のeディスカバリー企業のリサーチ結果によると、最近のトレンドとして以下の傾向が伺える。

・78%の回答者が、2008年に比べ、2009年の方が訴訟と規制についての問い合わせ数が増加したと回答した。
・3分の2以上の回答者が、2010年は訴訟と規制についての問い合わせ数が最低でも20%は増加すると見込んでいる。
・大多数の回答者は、2010年の増加は訴訟数の大幅な増加によるものであり、46%の回答者は規制についての問い合わせ数が増加するだろうと予測している。
・48%の回答者は、eディスカバリーを社内で行おうとするプロジェクトに取り組んでおり、36%の回答者が1年以内に企業内eディスカバリーの実現に向けて取り組む予定であると回答した。
世界的な経済の悪化が訴訟の増加に拍車をかけていることは間違いない。米国に支社をもつ日本企業もeディスカバリーの対象となるので、十分に注意されたい。