ソーシャルメディアとe法務ディスカバリー

4月1日はエープリルフール。アメリカでは大企業でもこの日だけはジョークが許されます。
GoogleはG-Mail用に「G-Motion」という新しいアプリの紹介をしていました。体を動かしてG-Mailを操作する機能でTry Gmail Motionをクリックすると「April Fools!」というポップアップが出て来るのです。
お堅いe法務ディスカバリー業界でこのエイプリルフールをやった会社もありました。
ディスカバリーソフトウェアの新機能としてソーシャルネットワーク機能を追加したと発表したのです。記事を読んでいくと最後にジョークだとわかる仕組みです。
Facebook、TwitterやLinkedInなどのソーシャルネットワークは、コミュニケーションツールとしてより広範囲に使われており、企業も人材募集やマーケティング活動などの目的に利用するようになっています。ニールセンの調査ではソーシャルネットワークの利用率は毎年3倍のペースで伸びていて、ネットを使う時間の10%はソーシャルネットワークのサイトに費やされているとの事です。
これらソーシャルネットワークはe法務ディスカバリーにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
Facebookにポスティングされた写真が証拠とみなされたり、Twitterに企業の機密内容がコメントされたり、またLinkedInでの記事が相手方弁護士に有利になるように利用されたりする場合があるのです。
例としては、ある会社の従業員が作業中に怪我をし、仕事に復帰出来ず治療の為に3ヶ月間休職をするという保険申請をしたとします。ところが彼の友人がそれと同じ時期にビーチでバレーボールを楽しむその本人の写真をFacebookにポスティングしていた事が判明し、保険詐欺の証拠になったというものです。
弁護士がe法務ディスカバリーのプロセスを進めていく上で対象人物がどのようなソーシャルネットワークのアカウントを持っているのかを調査する事は非常に重要です。それは対象人物のバックグラウンドを知る上での有効な手段となるからです。
アメリカではe法務ディスカバリーのプロセスに於いてソーシャルネットワークは重要な情報源である事が認識されています。ソーシャルネットワークは訴訟やe法務ディスカバリーのプロセスでは無視出来ない存在になりつつあるのです。
但し訴訟に関する電子情報とする場合、会社のファイヤーウォールの外にあり、第三者が管理しているソーシャルネットワークに対してどのような証拠保全が出来るのか? またどうやって関連する情報を抽出するのか? というような問題も多く残っています。ソーシャルメディアに存在する電子情報はメールやワードのフォーマットではありませんし、データは様々なサイトに分散していて数多くの人達とシェアされています。
e法務ディスカバリーにとってソーシャルネットワークはまだ未開拓の地ですが、これらからの情報収集にも対応する必要に迫られることは必至です。
但し現状では、相手側弁護士に有利になるような情報が出ないように、企業側で社内ポリシーを作り従業員のソーシャルメディアへの情報管理をしっかりと教育するしか防御の方法は無いようです。