e-Discoveryのコストを抑えるポイント

e法務ディスカバリの訴訟コスト抑制に貢献することは、企業だけでなく、弁護士にも非常に重要なことです。
海外訴訟におけるe法務ディスカバリだけでなく、国内訴訟においても、電子データが証拠として活用されるケースが増加しています。企業内のデータは巨大化しているため、この対応コストが自ずと巨額になってしまいます。
特に昨今の経済状況においては、コストを抑えつつ効果的な結果を導きだすため、弁護士がe法務ディスカバリソフトウェアを適切に活用することが重要です。それにより、クライアントにも大きく満足感を与えることができます。
■目標達成のための条件を、ベンダーと共に明確化しておく。
データ収集とレビュー段階においては、マイルストーンを定めておくことが必要です。
データの収集とイメージングでは、画像や文書などの多様なファイルを種類ごとにフィルタリングし、予め不要な種類のファイルは除外したり、データセット内の重複を排除したりする他、あるデータセットの中からレビュー対象となるデータをレビュー用プラットフォームに処理するなどの作業が行われます。
無駄を省き作業を効率化するために、ベンダーも弁護士も十分に知識を備え、以下のような項目について事前協議しておくことが重要です。
・対象となるデータはどのように選別できるか?
・キーワードおよび検索条件は?
・提出フォーマットは何か?
・何が証拠となるのか。そのデータは抽出できるのか?
・データのボリュームや複雑さに応じた製品の選択。
■データの処理と収集
費用を削減するために、データを適切に間引いていくこと(データカリング)を行いますが、弁護士が、必要データと不要なデータを見極めて、ベンダーによる作業を主導していくことになります。
コスト削減の観点では、重要なデータにコストを集中投入し、明らかに関連のないデータは削除することが重要です。証拠データを意図的に隠蔽したという疑いをもたれないため、また重要なデータがどこに埋れているかわからないという不安から、すべてのデータをレビューしてほしいと考える企業(顧客)もあるかもしれません。しかし、これはコストと時間のどちらから考えても非現実的であり、正確な状況判断が求められます。
■関係各所との適切な連携と、責任の明確化
e法務ディスカバリの作業においては、各タスクの責任の所在を明確化することと、外部弁護士、企業IT部門、法務部門などがきちんと連携をとることが重要です。
万が一にも、連携不足ゆえに関連データを網羅できず制裁を受けるような結果にならないよう、十分に注意を払っておきましょう。