NRIセキュアテクノロジー主催のセミナー
NRIセキュアテクノロジー主催のセミナーが開催されました。
今回は、「インサイダー取引などに対するPCおよびスマートフォンのデジタルデータ証拠調査方法の
具体的ノウハウ」というテーマで講演を行いました。
昨年、金融業界を大きく揺るがした事件は、国内では、大手証券会社の情報漏洩によるインサイ
ダー取引の摘発事件と世界的には国際的な基準金利であるロンドン銀行間取引金利、LIBORの
不正操作事件だったかと思います。
このLIBOR事件で逮捕された元トレーダーのうち、一人は、東京勤務の経験があり、円建て
取引の担当者だったとされており、ロンドンを主な舞台にした逮捕劇で、疑惑が東京市場に
も波及したと報道されています。この事件では、担当者のメール、チャット、文書ファイル
が重要証拠として提出されています。賠償金の支払い金額も大きく、LIBOR操作に絡む金融
機関11社の罰金や訴訟費用が2014年までに1兆1700億円に上るとモルガン・スタ
ンレーは試算しています。被害を被った政府や企業が金利の不正操作を行った金融機関への
訴訟準備を始めているという報道もあります。一方のインサイダー取引に関しては、今年は、
金融庁などが罰則強化の動きとして、今までは、情報漏洩をしても、直接、株取引で利益を
得なければ罪に問われなかったものを、金融商品取引法を改正して、情報漏洩も罰則の対象
とするかを検討しています。この2つの事件は、日本企業も必ず知っておくべき問題だと思
います。
今回は、これらの問題に対して、具体的な事前、事後対策として、
事前対策
1)不要なデータを抹消
2)パソコン、スマホの利用状況を記録
3)機密ファイルのアクセス制限、コピー防止
事後対策
1)不正の実態調査
2)訴訟対策
3)再発防止策の策定、実施
を紹介させていただきました。
多数のお客様にご参加いただき、誠にありがとうございました。