2019年リーガルテックワイン会 〜 第4回 ジュラ・サヴォア地方〜

ワインdeめぐる世界の旅 第4回

ローヌ地方からジュラ・サヴォア地方へ、他の産地と異なった独自のワイン

紀元前ローヌに渡ったワインはその後ジュラ・サヴォア地方へ広がり、気候や土地に適した独自のワイン醸造がおこなわれました。
今でも恐竜の化石が見つかるジュラ地方は降水量も湿度も高く、動物や植物は種類が増え、大型化していった経緯があります。
そのため今もジュラの土壌は他の産地と異なり独自のワイン醸造が可能になりました。ジュラ紀の語源になった産地、フランス東部からスイス西部に広がるジュラ山脈の麓に広がる銘醸ワインの産地から、日本では入手困難なジュラ・サヴォアワインを飲みながら知られざるワインの歴史を振り返りましょう。

1、ジュラ・サヴォアの産地の特徴と歴史

紀元前ローヌに渡ったワインはその後ジュラ・サヴォア地方へ広がり、気候や土地に適した独自のワイン醸造がおこなわれました。今でも恐竜の化石が見つかるジュラ地方は降水量も湿度も高く、動物や植物は種類が増え、大型化していった経緯があります。
そのため今もジュラの土壌は他の産地と異なり独自のワイン醸造が可能になりました。

ジュラ紀の語源になった産地、フランス東部からスイス西部に広がるジュラ山脈の麓に広がる銘醸ワインの産地から、日本では入手困難なジュラ・サヴォアワインを飲みながら知られざるワインの歴史を振り返りましょう。

2、ジュラの銘酒「黄色いワイン」について

ブルゴーニュの東側からスイスとの国境であるジュラ山脈の間に広がるジュラ地方は、独特のワインを生み出す産地として知られています。
中でも、「ヴァン・ジョーヌ」と呼ばれるワインは、ジョーヌ(フランス語で「黄色」という意味)という名の通り、ジュラ地方でのみ造られている黄色を帯びた独特なワインです。
サヴァニャンという葡萄から特殊な醸造法を使って辛口でシェリー香の強い「ヴァン・ジョーヌ」が造られます。
このワインは100年は持つと言われています。

3、ジュラ・サヴォアワインの繁栄と衰退

ジュラ・サヴォア地方はフランスだけでなくスイスやイタリアの王侯貴族にも愛されワイン産業が盛んだった時期もありました。ところが1800年代後半にフランスのぶどう畑を襲った害虫フィロキセラの被害にあい、多くの生産者が廃業を余儀なくされてしまいました。

まずはジュラの白ワイン…
シェリー酒や紹興酒を彷彿させる独特な香りを放っていました。味わいは軽やかで長い後味が特徴。
葡萄は「サヴァニャン」というジュラの土着品種を使用しています。

cotes du jura

コート・デュ・ジュラ サヴァニャン ブラン ドメーヌ・グラン

ジュラ産地特有のサヴァニャン種は火打ち石の香りを特徴としています。この畑から化石が大量に発掘されたという説もあり複雑な地層の畑から個性豊かな辛口ワインです。

続いてサヴォアの赤いワイン…
このワイナリーはオーガニック認証を受け、徹底して有機栽培、自然派を貫き防腐剤の使用をせず醸造しています。次の日に残らない自然な味わいです。てんとう虫はオーガニックのシンボルマークですが、そのてんとう虫を使ってサヴォアの国旗をデザインしたおしゃれなラベルが印象的です

vin de savoie arbin

ヴァン・ド・サヴォワ・アルバン モンデューズ

チーズの生産で名高いサヴォアですが、ワイン作りにおいては長い歴史を誇ります。かつてはサヴォア公国として栄えていた頃はワイン作りが最も栄えていた産業でした。
歴史あるドメーヌが最新式のオーガニック農法を駆使して作り上げた新しいタイプのワインです。

そして最後は今回のメイン、「ヴァン・ジョーヌ(黄色いワイン)」をいただきました。
ヴァンジョーヌを初めて知ったのはフランスでワイン留学をしていたもう20年も前のこと。当時はその美味しさと独特の味わいにとっても感動しました。
今夜ついに20年後の「ヴァン・ジョーヌ」との再会です。ドキドキしながらいただいた「ヴァン・ジョーヌ」その美味しさは健在でした。白ワインを6年間も熟成をさせて出荷するため、コクと深みが違います。

cotes du jura

コート・デュ・ジュラ ヴァン・ジョーヌ シャトーシャロン

ヴァン・ジョーヌ(黄色いワイン)の発祥地がこのシャトーシャロン。
酵母とともに長期熟成をし黄金色のワインが出来上がります。
ヘーゼルナッツ、ジンジャー、アーモンド、香ばしい香りが特徴です。

2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第 4 回 〜 「ジュラ・サヴォア地方」 いかがでしたでしょうか?

今日は皆様を隠れたワインの名産地 フランスの「ジュラ・サヴォア」へ皆様をお連れしました。

「ジュラ」はブルゴーニュ地方の東、スイスと国境を接するレマン湖の西に位置します。ジュラとはジュラ紀のジュラ。1億年以上も前はこの土地に恐竜が住んでいました。恐竜が育つほど雨量も植物も豊富に育った土地だったそうです。
映画「ジュラシックパーク」もこの「ジュラ」からつけられました。「サヴォア」はかつてサルデニア王国の領土でした。フランスに併合されたのはまだ150年ほど前、今でもイタリアとの歴史的な関係や文化が深く続いています。

次回のテーマは

~ ワイン de めぐる世界の旅 第 5 回 ~

次回はジュラ・サヴォアからワインの2大産地 ブルゴーニュへ皆様をお連れします。

渡辺 順子

世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」でアジア人初のワインスペシャリストとして活躍、プレミアムワイン株式会社CEOザッキーズ日本代表。
著書:
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』(ダイヤモンド社)
『日本のロマネ・コンティはなぜまずいのか』 (幻冬舎ルネッサンス新書)