レポート 知財で稼ぐ!知財デューデリジェンスとワイン@京都リサーチパーク
講師にはリーガルテック株式会社の佐々木隆仁、吉木政人に、京都創薬研究所の平田 文樹(ひらた ふみき)氏と、ワインスペシャリストの渡辺順子(わたなべ じゅんこ)氏もお迎えしました。
京都創薬研究所様がちょうど当日に、追加の資金調達(4億円)に成功されたということを発表してくださり、知財で稼ぐという主旨に違わぬ未来への希望に満ちたセミナーになりました。
本稿では、その内容についてレポートします。
知財で稼ぐには、2つのキーテクノロジー活用がポイントになる
代表の佐々木からは「AOSデータルーム 知財デューデリジェンス」をテーマに講演を行いました。
佐々木からは、知財で稼ぐための2つのキーテクノロジーの紹介がありました
1つは知財デューデリジェンスをサポートする「知財デューデリジェンスプラットフォーム」
もう1つは「知財訴訟のためのリーガルテック」です。
「知財デューデリジェンスプラットフォーム」がキーテクノロジーに
遅れている日本の知財活用
リーガルテック社が主催しているリーガルテックと知財の歴史をご紹介しながら、日本の知財活用の実態についてのお話をしました。
特に2014年にリーガルテック 展で小泉元首相からお話頂いたテーマ「知財立国日本」は、総理時代のテーマでありましたが、実態はまだまだであることなどをご本人からもお話頂いており、2019年の現在においても、まだまだ知財を活用できているとはいえない状況です。
国家レベルでは、熾烈な知財争奪戦、サイバー攻撃が繰り広げられている
有名なところでは、スノーデン容疑者がCIAの秘密を暴露してしまい、オバマ大統領が謝罪するといった事件や、人民解放軍に対しオバマ大統領がけん制した事変、ソニーミュージックが北朝鮮のサイバー攻撃の標的になった話など。
守秘義務のため、詳しくは、お伝えはできませんが、国家レベルの情報戦は年々熾烈になってきています。
そんな中、日本だけが、ただ黙って一方的に痛めつけられる状況が続いています。
自社だけは大丈夫である、どの国のICT技術を使っても大丈夫であると考えるのは、あまりに楽天過ぎる危険な考え方です。
「知財デューデリジェンス」をサポートするAOSデータルーム
そのような熾烈な世界中の知財争奪戦の中で、大切な知財データを国家レベルの盗難リスクからも守るのがAOSデータルームです。
これからの時代は、より多くの関係者に対し 「知財」の盗難リスクを防いだ上で、積極的に閲覧、レビュー、評価してもらう機会も増えるでしょう。
このような知財の評価業務を知財デューデリジェンスと呼びますが、 これからの知財で稼ぐ時代は「知財デューデリジェンス」業務をより効率的かつセキュアに、そしてなるべくローコストで行う必要があります。
その時に活躍するAOSデータルームを、ぜひお試し頂きたいと思っています。
知財訴訟を効率化するキーサービス「リーガルサーチ」
知財検索を「高速かつローコスト」に実現する技術
知財を活用するためには、既存の知財の調査業務も重要です。
しかし、現状は良いシステムが存在せず、この作業に膨大な時間がかかってしまいます。
この問題を解決するのがリーガルサーチです。
https://legalsearch.jp/portal/
例えば、上記のサイトで「青色発光ダイオード」と検索してみてください。
知財訴訟も含めた様々なデータが高速で表示されると思います。
リーガルサーチは、RDBを使っていない高速でローコストで稼働できるデータベースです。実際コストは大幅にダウンするため、すなわち皆様にもリーズナブルに使って頂くことができます。
この秋、公開
システムはまだ完成しておらず、特許データも今いれている状態ですが、今年の秋ぐらいには多くのデータを入れた状態で皆さんにお使い頂けるようにするつもりです。
ぜひご期待ください。
AOSデータルーム導入後、調達が加速。本日4億円調達できました -佐々木と平田さまの対談
弊社の佐々木と京都創薬研究所平田さまとの対談を行いました。
まずは平田さまから会社について簡単にご紹介のあと、日本において知財で稼ぐ方法についてディスカッションを行いました。
京都創薬研究所について
資本関係はないのですが、京都大学の知財を主に扱って革新的な治療薬を開発しています。
現在KUS121という調整薬を保持しており、先生と連携して眼科領域の治験も行っています。
ビジネスモデルは、弊社が京大から実施許諾を頂いている特許を製薬会社にライセンス提供するというモデルになっています。
本日4億円調達
AOSデータルームを導入した当初は1億6千万円の調達額でしたが、現在は増え、本日の4億円を含めて、合計10億円程度の調達額になっております。
AOSデータルームは値段が安く、ITが得意じゃない人間でも直感的に使いやすい
AOSデータルームはまさに知財デューデリジェンスの目的で導入しましたが、使ってみて、その使いやすさに驚いています。
私、平田はIT畑の人間ではないのですが、直感的に使えるため、本当に重宝しています。
またお値段もリーズナブルなので本当に助かっています。
大学発の知財や日本の知財で稼ぐには?
やはり日本の知財活用は、関係者が増えがちで、調整が難しいです。
例えば弊社のライセンスは京都大学がもっており、特許の実施許諾を得ているのが京都創薬になっているため、制限がかかってきます。
この形では製薬会社にサブライセンスをする形になるので、やりづらさがあるのは否めません。
さらに関西TLOさんなどが絡むとプレイヤーが多く、話が進まないことも増えます。
商売っ気のない人が大学側に多いことも話が難しくなる要員になっていると思います。
本庄先生と小野製薬さんの件でも課題となっていましたが、やはり契約などもリーガルテックを活用するなどで、しっかり正しいプロセスで進める必要があると思います。
成功事例がもっと出てくれば、もっと日本の知財活用はかわる
最近では、東大発のベンチャーがうまく稼ぎ出していることで、潮目がかわってきていると感じます。
例えば、東大生もベンチャー希望者が10%に達するそうで、一昔前とはだいぶ様相が違います。
アメリカとはまだまだ状況が違いますが、明らかに成功事例が日本のムードをかえてきていると思います。
京都創薬さんも、製薬会社を作るのではなく、あくまで知財をお金にかえていくというスタンスだということですね。
目の治療薬の市場規模で100億円くらいはあるということで、ぜひ大きな成功事例として日本の知財活用を盛り上げてもらえたらと思っています。
本日はありがとうございました。
VDRとは?知財デューデリジェンスに使えるAOSデータルームのご説明&デモ -吉木
リーガルテックの吉木からは、AOSデータルームのデモを中心にご説明。
評判のよいビューワーや、透かし機能、検索機能のご説明などを行いました。