2019年リーガルテックワイン会 〜 第9回 シャンパーニュ地方〜

※「眠れる森の美女」でお馴染みのロワール地方

ワインdeめぐる世界の旅 第9回

「眠れる森の美女」でお馴染みのロワール地方へ訪れます。
美しい古城が広がる牧歌的なロワールですが現在は近代化と伝統派が融合するユニークなワイン産地に変わっています。伝統を守る作り手、とことんオーガニックにこだわる生産者など、様々な側面を見ながらロワールを学びます。

1、ロワールの歴史と産地の特徴

「フランスの庭園」と呼ばれるロワール地方は中世の時代、国家の中心として繁栄した時期もありました。
当時の面影を残す古城も多く立ち並んでいます。国の権力者がいた土地は昔から必ずワインが栄えロワール地方も12世紀はフランスで一番の人気のワイン産地でした。ユネスコの世界遺産にも登録されている土地を巡りながら貴族たちが好んだロワールを味わいましょう

2、こだわりのあるロワールの生産者

あまり知名度は高くないロワール地方ですがこの産地にはこだわりのある生産者がたくさん存在します。伝統を重んじる作り手と近代化を推し進める作り手が織りなすロワールの現在にスポットを当て、様々なロワールワインをご紹介しました。
ボトルとテーブル

3、近代化が進むロワールの将来

20年も前にロワールへ訪れた際、車窓から見えた広大なぶどう畑や羊や牛の放牧などのどかな田園風景に目が奪われました。世界遺産のロワール渓谷には130もの情感が集まっているそうです。300年代にキリスト教布教の拠点としてロワールに大きな修道院が建てられぶどう栽培が行われました。
ぶどう栽培やワイン醸造においてはボルドーよりも古い歴史を誇ります。その後王侯貴族が移り住みワインは産業・文化としてこの土地で発展していきました。現在のロワール地方はこだわりのある生産者によって数々の名品を作っています。

まずは「ドメーヌ・ミショー」の泡で乾杯
細かい泡が立ち上がり酸味も後味もキレも抜群です。
手摘みで収穫したぶどうを発酵させ15ヶ月も熟成をさせます。しっかりした味わいですがフレッシュ感がありました。この造り手は環境に優しいぶどう栽培を行い農薬や化学肥料の類を極力減らしています。自然な味わいを引き出す造り手です。

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クレメンド・ロワール・ロゼ・ミショー
ロワールの優良ドメーヌ、クードクールで受賞

次の白ワインは「ドメーヌ・ドラ・ゴノルデリ」
設立されてまだ間もない造り手ですが恵まれたテロワールを生かしソーヴィニオンブラン 100% で作られた
白ワインはキレがよく澄み切った味わいです。
ゲストの方でロワールのソヴィーニオンブランが大好きとおっしゃる方がいらっしゃり、とても喜んでいただきました。
ロワールのソーヴィニオンブランは他の産地では決して表現することができないハーブの味わいが特徴です。

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ドメーヌ・ドラ・ゴノルデリ ソーヴィニヨン
プラム、ローストしたピーマン、砕いた小石、柑橘系果実

最後は赤ワイン「シャトークーレーヌ」
15世紀に建てられた歴史あるシャトーです。現在の当主は15代目のエティエンヌさんは子供の頃からワイン造りを手伝ってきました。1994年から有機栽培に移行し自然な味わいを醸し出しています。
ロワールの主要品種カベルネフラン 100% から作られる赤系果実のアロマと黒胡椒などのスパイシーな香りが特徴です。

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シノン ソレイユ ド クーレーヌ 2016
有機栽培で作る凝縮した果実の旨味

2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第 8 回 〜 「シャンパーニュ地方」 いかがでしたでしょうか?
今回もワインだけでなくビジネスの話でも盛り上がりました。
次回はボルドー地方。

次回のテーマは

~ ワイン de めぐる世界の旅 第 10 回 ~

次回は世界最大のワイン産地「ボルドー」を訪れます。王侯貴族に愛され世界に広がったボルドーのワインは今も世界中の愛好家たちを魅了します。
3回にわたって繰り広げられるボルドーの旅、1回目はその歴史に焦点を当てます。

渡辺 順子

世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」でアジア人初のワインスペシャリストとして活躍、プレミアムワイン株式会社CEOザッキーズ日本代表。
著書:
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』(ダイヤモンド社)
『日本のロマネ・コンティはなぜまずいのか』 (幻冬舎ルネッサンス新書)