2019年リーガルテックワイン会 〜 第8回 シャンパーニュ地方〜

※シャンパーニュ地方特産のスパークリングワイン

ワインdeめぐる世界の旅 第8回

パリから北東へ約140キロ、フランスの最北に位置するシャンパーニュの産地へ訪れます。1680年に修道士であるドンペリニヨンによりシャンパンが生まれました。以降、何百年に渡り世界中の人々を魅了してやまない、唯一無二であるシャンパンについて、シャンパンはどうして泡が立つのか、シャンパンはどうして高いのか… 今更聞けないシャンパンの謎を全てお話し致します。

1、シャンパンの歴史

シャンパーニュ地方でぶどう栽培がはじまったのは5世紀末。
シャンパーニュ地方では当時小氷河期ともいわれ、冬の低温によって酵母の活動が停止、その状態で樽に詰めされたワインは翌春に気温の上昇とともに再発酵し、味の変質やにごりなど不評を買うという問題を抱えていました。それをオーヴィレ―ル修道院の僧、ドンペリニヨンがイギリスのビールにヒントを得て、シャンパンを造りだしました。

2、シャンパンの製造方法と法律

シャンパンと普通のワインとの大きな違いは、醗酵の過程を2回行う「瓶内二次醗酵」という方法を取っているところです。通常のワインと同じ方法でベースとなる泡のないワインを造り、その後できたワインを瓶に入れて糖分と酵母を加え2度目の醗酵を促します。
シャンパンは、法律によって非常に厳しい決まりが定められています。
法律で定められた手順を踏まないと、そのワインはシャンパンと名乗ることはできません。
ボトルとテーブル
ボーヌ村の一等地に広がるぶどう畑で造られたワインはチャリティーオークションに出品されその収益金で病院の運営が行われていました。

3、修道士ドンペリニヨンについて

ドン・ピエール・ペリニヨンは、ベネディクト会の修道士です。フランス北東部のシャンパーニュ地方で生まれ、シャンパンの完成に生涯を捧げました。盲目であったと伝えられ、シャンパンのドン・ペリニヨンは彼の名から命名されました。

白亜の石灰質に覆われるシャンパーニュの土壌からキレのあるシャンパンが生まれます。美味しいシャンパンが生まれる条件を満たした厳しく定められた製造法や法律によりそのブランドは守られてきました。

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ダニエル・ミル
ピノ・ムニエとピノ・ノワールから作られるバランス感抜群の味わい

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アドリアン・ショパン
黒ぶどうだけから作られるブラン・ド・ノワール。ヨーロッパで人気を誇る実力派メゾン

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フランク・ボンヴィル グラン・クリュ ブリュット
セレクション ブラン・ド・ブラン
2010年のノーベル賞晩餐会で選ばれた極上のシャンパン。オーガニック農法で少量生産に徹する希少価値の高い1本

2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第 8 回 〜 「シャンパーニュ地方」 いかがでしたでしょうか?
次回はロワール地方。

次回のテーマは

~ ワイン de めぐる世界の旅 第 9 回 ~

「眠れる森の美女」でお馴染みのロワール地方へ訪れます。
美しい古城が広がる牧歌的なロワールですが現在は近代化と伝統派が融合するユニークなワイン産地に変わっています。伝統を守る作り手とことんオーガニックにこだわる生産者などさあざまな側面を見ながらロワールを学びます。

渡辺 順子

世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」でアジア人初のワインスペシャリストとして活躍、プレミアムワイン株式会社CEOザッキーズ日本代表。
著書:
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』(ダイヤモンド社)
『日本のロマネ・コンティはなぜまずいのか』 (幻冬舎ルネッサンス新書)