フォレンジックの歴史~朝日放送のWebページ改ざん事件
フォレンジックという言葉は今の日本でも、まだまだなじみうすい言葉ですが、ほんとにまったく知られていなかったであろう昔でも、フォレンジック調査は行われていました。
そんな過去の事件について少し紹介していきます。
デジタル・フォレンジックとして、比較的イメージしやすいのは「不正アクセス」の例だと思います。今回はサーバへの不正アクセスにより起こされた、朝日放送のWebページ改ざん事件について。
1997年5月18日、同社の天気ニュースサイトの一部がわいせつ画像に置き換えられました。変更されたのはサイトの一部のみでしたが、サイト全体をチェックするため、全てのページを一時閉鎖することとなったようです。
天気ニュースのサービスはFTPにより提供されていたようで、ログを調べたところ、2回にわたり、同社サーバ上の画像ファイルが同じファイル名のわいせつ画像ファイルに置きかえられた形跡を確認。
大阪府警が同社サーバへのアクセスログから、犯人が利用したプロバイダを割り出し、通信記録から犯人を特定、「わいせつ図画公然陳列罪」と「電子計算機業務妨害罪」にて御用となりました。
ちょっとしたいたずらのつもりで、自宅のPCから犯行に及んだとのことですが、時代も時代なので、インターネット経由だったら足がつかないのでは、と思ったのかもしれませんが。。。
本件は日本で初めて「電子計算機業務妨害罪」が適用されたということで、意味のある事件となりました。
(InternetWatch:http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/970523/asahi2.htmより抜粋、編集)