訴訟ホールド(Litigation Hold)の実施段階
eディスカバリーにおいて訴訟ホールド(Litigation Hold/Legal Hold)実施の具体例について見ていきたい。
訴訟ホールドの発生条件を満たし、その範囲が決定したら、いよいよ訴訟ホールドの実施段階だ。手順としてはおおよそ次のようになるだろう。
・企業内の訴訟ホールド対象部署、対象従業員とその上司、各関係会社に、訴訟ホールドの通知を行う。メール、回覧板、口頭による通知を行い、その通知を受け取った旨を必ず返信してもらう。
・訴訟ホールドの通知書に以下の内容を記述する。
訴訟ホールド実行者の名前と所属、訴訟ホールドの重要性について、罰則規定、訴訟ホールド実施の理由(裁判所命令、訴訟など)、通知書送付の理由、保全すべきデータ、取扱いデータの削除行為の禁止(コンピューター、携帯、PDA、USBメモリなどすべて)。
・対象データの保全と収集のため、IT部門と協力する。
実際、ESI(電子情報)に精通しているのは企業内のIT部門であるから、IT部門の協力なしには適切な訴訟ホールドは実施できない。必ずIT部門と密な対応をとることが重要である。