2019年リーガルテックワイン会 〜 第6回 ブルゴーニュをめぐる②〜

世界2大ワイン産地の一つブルゴーニュ

ワインdeめぐる世界の旅 第6回

ベーシックなブルゴーニュワインと共にワインの歴史を3回に分けて辿ります。

2回目は、ブルゴーニュではちょっと異色(?)の存在、シャブリとボジョレーに焦点を当てます。何万年も前は海の底にあったシャブリは辛口でミネラルたっぷりの白ワインを造ります。赤ワインは「ボジョレー・ヌーボー」だけでないボジョレーをご紹介します。ブルゴーニュの違った側面を見ていきましょう。

1、シャブリとボジョレーの土壌の特徴と歴史

ブルゴーニュ地方は地区により栽培されるブドウの品種などが異なると言った特徴があります。シャブリは、ワインの名称として名高い地域名です。

シャブリ地区では、他の地域とは異なり、キンメリジャンと呼ばれている土壌で栽培されているシャルドネ種のブドウのみを利用して、良質の白ワインを作り出すと言った特徴が在ります。

また、ボジョレー地区は、マコンから南へ55kmほどのところに広がるワイン産地で、ガメイという黒ブドウから造られる赤ワインが有名です。

2、シャブリにあう料理とは

シャルドネ種から造られるシャブリは、明るい緑がかった黄色。

シャルドネ種の酸味と、果実味のあるさわやかなミネラル感が魅力の辛口白ワインです。一般的にシャブリに合うと言われている料理は生牡蠣。

牡蠣の化石を含む土壌で育ったシャルドネ種のブドウで造られているシャブリと生牡蠣の相性は抜群です。

3、ボジョレーヌーボーじゃないボジョレーって

ボジョレーといえばボジョレーヌーボーが有名ですが、ヌーボーだけでないボジョレーをご紹介しました。

ボジョレー地区で造られているワインは早飲みの「ボジョレー・ヌーヴォー」だけ、と思われている方も多いようですが、実は熟成能力のある高品質なワインも多く造られています。

この産地には、特に優れた「クリュ・デュ・ボジョレー」と呼ばれている10のA.O.C.があり、同地区の中では特別な存在として世界的に高く評価されています。

ブルゴーニュ最大規模の自社畑を誇る、歴史ある生産者「ドメーヌ・ジョセフ・ドルーアン」が造るシャブリとボジョレーをいただきました。

まずはおなじみのクレマンブルゴーニュで乾杯。口当たりが良く繊細な味わいです。

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クレマン・ド・ブルゴーニュブラン・ド・ブランNV
ブルゴーニュでは珍しい日本人醸造家、沖田さんが造るクレマン・ド・ブルゴーニュ。ブルゴーニュの有名醸造家から大絶賛された味わいです。

※クレマン・ド・ブルゴーニュとは
世界屈指の銘醸地ブルゴーニュ産のブドウから造られるスパークリングワインです。

シャブリはミネラルと酸味のバランスが絶妙。
特にレモンを絞ったかのように感じる酸味が後味を引き締めスッキリした口当たりでした。

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シャブリドルーアン・ヴォードン2017
シャブリ地区のワイン産業を復興させたジョセフ・ドルーアン。
自然派シャブリの代表で牡蠣や魚介類にぴったりの酸味のある味わいです。

ボジョレーは他のブルゴーニュと違ってガメイ種を使用します。
ストロベリーやラズベリーの果実味が軽やかで甘みも控えめな本格的ボジョレーでした。

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ボジョレー・ヴィラージュ2016
ボジョレー特有のぶどう品種、ガメイ種を使って作られるワインは
軽飲みのボジョレー・ヌーボーだけではありません。

2019年リーガルテックワイン会 〜 ワイン de めぐる世界の旅 第 6 回 〜 「ブルゴーニュをめぐるワインの旅②」 いかがでしたでしょうか?

次回はブルゴーニュワインについての最終回。

次回のテーマは

~ ワイン de めぐる世界の旅 第 7 回 ~

次回は「ブルゴーニュをめぐるワインの旅③」
ブルゴーニュ最後の旅は「オスピス・ド・ボーヌ」についてお話しします。
唯一無二のオークションとして500年の歴史を誇る「オスピス・ド・ボーヌ」。
実際にオークションに参加して落札してきたワインをいただきます。

渡辺 順子

世界最大のオークションハウス「クリスティーズ」でアジア人初のワインスペシャリストとして活躍、プレミアムワイン株式会社CEOザッキーズ日本代表。
著書:
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』(ダイヤモンド社)
『日本のロマネ・コンティはなぜまずいのか』 (幻冬舎ルネッサンス新書)