ESI(電子情報)には、メールや文書ファイルのようなテキストファイルだけでなく、大量の画像ファイルも含まれている。eディスカバリーのデータ収集、データ処理・加工の工程において、画像ファイルはどのように対処すればいいのだろうか?
テキストファイルであれば、キーワード検索による絞り込みによって、容易に対象範囲を絞り込むことは可能だが、画像ファイルはそもそもキーワード検索ができない。不要な情報をデータ収集することは、後の工程で無駄なコストを発生させるし、必要なデータを除去(ESI Culling)してしまうことは、証拠隠蔽行為(Spoilation)につながる恐れがある。
ここでは、画像ファイルの対応について、いくつかのヒントを紹介しよう。
・メタデータに対するキーワード検索による絞り込み
画像ファイルには、通常、作成日、撮影日、作成者など、ソフトまたはハードによって埋め込まれたメタデータが存在する。このメタデータに対し、キーワード検索を行って、情報を絞り込むことが可能だ。
・日付範囲、画像種類によるデータ除去(Culling)
撮影日などの日付を利用し、日付の範囲で画像を絞り込むことが可能だ。
・OCRソフトの使用によるキーワード検索
画像ファイルに対して、OCRソフトを使い、画像にファイルに含まれるテキストを読み込み、キーワード検索をかけることが可能だ。画像の品質にもよるため、完璧な認識は不可能だが、それでも95%以上の認識率を維持できる。
上記の手段を組み合わせることで、画像ファイルについても電子情報除去(ESI Culling)を行い、eディスカバリーのコスト削減を期待することができる。
コピー機内のデータもe-Discoveryの対象となるか?
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/カテゴリ: コンピュータ・フォレンジック, フォレンジックデジタル・フォレンジック研究会(IDF)から「証拠保全ガイドライン第1版」が公開された。
電磁データを、その証拠としての信頼性を保ちながら収集、取得、保全するフォレンジックの手続きについてのガイドラインである。海外(欧米)の保全手続きを参考に、日本国内の特殊事情や関係者からの意見を反映してまとめられた労作である。
eディスカバリーのような法的制度のない日本では、まだまだ電磁的証拠の扱いにはばらつきがある。しかし、このガイドラインの「趣旨」にもあるように、日本のデジタルフォレンジックの必要性・有用性がますます高まることは必須だ。今回の策定は、将来への大きな一歩と言えるだろう。
—以下、「趣旨」より抜粋引用—
来年の期末には新版発行予定とのことで、実際にフォレンジックに関与する企業や担当者が広く参照することにより、運用を通じて改良されていくことが期待される。
IDF(特定非営利活動法人デジタル・フォレンジック研究会)
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eディスカバリーにおける画像ファイルの対応(ESI Culling)
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